年金ってどうなんですか2/吉野→寺井

テライマンへ

第一弾の西本さんのをみて、あいかわらずスゴイこれはとてもかなわん、とおもってたら、お鉢が回ってくるとは。状況がよくわかってないものの、励みます。どうぞよろしく。

(そもそも年金の仕組みのところから)ちょっと語ってもらえないかな?

イヤやそんなん。大変すぎるしー。俺もよく知らんしー。

というか、一番の問題はこれ。何が問題って 俺らが不勉強なのが問題 勉強しきれないほどムチャクチャな制度なのが問題。全体を「知ってる」って言える人、この世に何人いるのかと。

制度はシンプルでないといけない。「年金」でぐぐってみたことのある人なら、普通に知ってるよっていえるぐらいでないと。

ま、制度とかは、必要に応じて、いっしょにみていきましょう。

年金も税金もそうだけど、なんかこういう、省庁が作ってる仕組みとかって、だいたい、ややこしいじゃない。既存の決まりをあちこち延々と継ぎ接ぎして制度を作っていくから、気付けばものすごくややこしいシステムができちゃうんだと思う。有機的に作ってんだよね。

ほんと、そう。ややこしくなってしまうのもわかるけども。霞が関の人々の間で、シンプルでないことのデメリット、が共有されていないらしいところに、まず問題があるような(日本政府のつくったぱわぽ

さて、

年金はらうべきかどうか。

「はらうべきだからはらえ」という論はいったんおくとして、

ちなみに俺は一応はらってる、理由はつぎの通り。

  1. 万一のときに障害年金の受給資格がなくなるのがこわいから
  2. 金額が現在のところ、まだそれほど高くないから
  3. インフレのリスクをヘッジできる(かもしれない)から
  4. 年金の政府保証を、額面通りでないにせよ、ある意味でアテにしているから

1. は、「特別障害給付金」でぐぐるか、各自治体による解説などを参照。

2. は、月15,020円(2011年度)を高いと思うかは、もちろん人による。いまの自分は、なんとか許容できる――たとえドブに捨てることになったとしても。ところで、年金はともかく、国保(国民健康保険)の負担は耐えがたいものがあるので、払わなくてすむならぜひそうしたい。こういう社会保障の負担と、特殊な減税(租税特別措置)がありすぎるので、「いくら稼いだら、いくら税金を払うか」という実質の累進税率がひどく見えにくくなっている。所得税の最高税率など話題にしててもはじまらない。閑話休題。

3. は、国営の年金は、他の金融商品と比較して、物価の変動には異常に強いという性質がある。国民年金は、物価スライド方式(物の値段が上がると給付額も上がる)というしくみを採用している(解説)。これを民間の年金保険で実現するのは難しく、不可能ではないかもしれないけど、かなりのリスクプレミアムが必要なはず。そういう特殊な金融商品をポートフォリオに入れておくのは悪くない。奇貨、居くべし。

4. は、つまり、年金や財政が破綻しても、いちおう「年金」といえる水準の額は、政府たるもの保証しないわけにもいかんだろうとおもっていて、その際に、この掛金で、そういう水準の額がもらえる権利が多少なりとも強まるのなら、なかなか悪くないと思っている。これは、中途半端に無根拠に政府を信頼しているかんじで、われながらイマイチ。JAL株や東電株をホールドしてしまう中高年みたいな。そうではなくて、ぜんぶ自力で積み立てる気概と財力があれば、そのほうが理念的にはスッキリかもしれない。でもいまの自分にはとてもムリ。そんな元気はまるでない。

なお、2階部分(国民年金基金)は、加入してない。そこまで余裕が無いのと、単なる貯金以上の意味が見出せないため。なによりこのまぎらわしい名称がキライ(笑)

年金の1階・2階・3階の説明
経済産業省関係公益厚生年金基金より転載)

ようは、老後の資金を準備するにあたって、日本円、外貨、日本国債、外国債、株式、REIT、投資信託なんかに比べて、運用としてそれほど不利ではないと考えている。また、パーになる可能性があるとしても、この金額なら笑って(?)許せるかな、と思っている。そういったポートフォリオ的判断として、現時点では年金を払うことに納得している。…えらそうにいってるが、それほど自信があるわけではない。もちろん、この判断は各自の状況や信念で異なるはず。以上は、現行制度をもとにしての、個人的な話。

政策的には、上記 1. (障害年金)を脅しにして払わせてる現状は、人道的に終わってると思う。掛金を払ってようがいまいが、一定額の給付を保証するしくみに、一刻も早く移行すべきと考える。この結論は、「そうではない」という論者の意見を見てみないと深堀りしづらいな。

一度払ったら、返してくれないじゃないですか。だから、これ、支払ってほんとに良いのかどうなのか、分からないから払えないなあと思ってたの。疑わしいなあって。

うん、返してくれない。返してくれるとかではなく、税金の一部か、掛け捨ての保険と考えるほうが適切。あるいは、町内会費とか、みかじめ料。なんで払うのか判然としない、でも払わないで嫌な目にあうのもこまる、どうしよう、と。疑わしい、ってのはすごい正しい感覚かもしれない。疑ったうえで、どうするか考える。

そもそも、年金を支払うという行為は、対価を支払ったら、それに応じた何かが返ってくる、みたいな、市場的な契約関係からはかけ離れたものだと思う。

まず、契約を結ばない自由がない。つぎに、支払った相手(すなわち政府)が契約を履行しない場合、(たとえば65歳から支給すると言ってたはずなのに68歳からにするとか言い出す)場合に、それを履行させる手段がない。さいごに、これは変な話かもだけど、支払うほうもじつは政府の超法規的な「暴力」に期待している――上記 3.(インフレに異常に強い)4.(政府保証)という性質を、民間の保険で代替しにくい理由は、年金が超法規的存在であることに由来する。いやその、年金だって法のもとにあることは承知なんだけども、でも政府というのは自分で法を書きかえてしまうプレイヤーなので、やっぱり全然違う。

…でも、もしかすると、古典的な大企業に投資している人は、市場における競争力ではなく、既得権益に由来する超法規的な力に期待している面も多いのかもしれない。Too Big To Fail だとか。ライブドアよりはオリンパスのほうが、イザというときに安心でしょ、ほらやっぱり、みたいな。そう考えると、相対的な問題なのかもしれぬ。

神輿がなんたらかんたら

は、仕組みとか人口の話になるのかな。また、いずれ。

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コメント1件

  1. 吉野君の(特に最後の部分を)読んでみると、すぐ、それなら、年金って私財での供給が可能なのだから、公共財扱い(公的年金)しないでいいとか、老後のことは自分で蓄えなさいと(私財化)した方がいいとか単純に考えてしまう。将来、1、という不安であれば、私財で代替できる。だけど現実的にそれを実現するには、選挙、政党、陳情、メディア、デモ、、、とかいった民主主義政治上の要求でできそうにないと思って、そこで私のあたまがとまった・・・・・・・・。

  2. ysnhrk

    コメントありがとう!
    たしかに、理屈のうえでは、私的にも供給できる。

    しかしそれをあえて公的に運営するようになった理由のひとつは、
    (他もありそうだけど、とりあえずひとつは)
    人は十分に合理的ではないので、
    十分な額を貯金することにしばしば失敗する、ということ。

    かりに、倫理的な問題を抜きにして、
    そういう人は死ねばいい、と考える人であっても、
    そのように切羽詰まった人が増える
    →強盗や物乞いが増えて安全でなくなる
    →防弾ガラスと警備員と犬と有刺鉄線に支払うコストがかかる
    →年金のほうがコストが安いので賛成する
    と考える可能性は、そこそこあるとおもう。

    あるいは、そこまで殺伐とした説明でなく、
    パターナリズム――親が子供の面倒をみるように、
    政府は国民の面倒をみるべきだ、というのでもいい。

    指摘の通り、年金は自明な公共財ではない
    ――公的に供給することは、けっして当たり前ではない。
    それでも、何らかの形で、そういうものを公的に供給するのは
    いい政策だと、おれはおもってるよ。

  3. なるほど。つまり、政府が目指す「秩序」(または、当該国家の主権?)維持のために公共財として提供しているってことか。

    そんで、今、人口動態とか経済状況とか?そういう要因で、制度疲労を起こしちゃったから、国家が国民福祉に対する責任を、おやくそくどおり?果たせなくなったとか、そういう状況かしら。

    あのさ・・・国家が国民福祉を公共財として提供して、うまくいっている?事例ばかりが目につく(北欧とか)けれど、私的財として民間のみで提供している国、あ、つまり社会保障がない国って・・・先進国?ではないのかな。

    確か、シンガポールの年金システムは、「自分がいくら負担して、政府や企業のいくらの負担が加わって、自分が将来いくらもらえるか通帳」を国民全員が持ってて、「おーこんなにあるんや」って毎日見られて、将来これを使えるんだって、毎月加わっていく(増えていく!)すごい安心感があったみたいだった。

    なんか、年金の制度比較知りたいかも。吉野君、お願いしまする.笑

    年金ってどうなんですか3西本→吉野に!

    • ごめん。上記、シンガポールはめちゃくちゃ公共財提供がうまくいってるとされている事例として、で。文脈おかしくてごめんー!!

      にし

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